8月4日 日曜 18:30 -19:00 フジテレビ『サザエさん』は【ワカメ夢の二階家/ボクたちのキャンプごっこ/丑の日研究レポート】と、いつもと同じ三本立て。「丑の日」と来れば、我が国の国民的アニメ『サザエさん』なら間違いなく「うなぎ」ははずさないでしょう。けっこう店屋物率の高い磯野さんちの食料事情なら、町内のうなぎ屋さんから出前を取る可能性も高いです。磯野さんちは、お父さん(波平さん)、お母さん(フネさん)、カツオくん、ワカメちゃんの4人家族に、フグ田さんちのマスオさん、サザエさん、タラちゃんが同居して、合計7人。まさか飼い猫のタマにうなぎを与えるようなバチ当たりなことはことはしないと思いますし、幼いタラちゃんの分は0.5人前かもしれませんが、6人前のうなぎを食事に整えるのは、家計にかなり大きなダメージを与えます。こういう時に鼻のきくノリスケさんが突撃して来るかもしれません。でも、うなぎって、子どもにとってそんなにうれしい食べ物でしたか? 身近なところで私の家族は、両親と三人兄弟。確かに一年に一度うなぎの蒲焼きが食卓に並びましたが、子どもの頃は正直苦手感があったような気がします。弟は大人になった今も、自ら積極的には口にしません。「『サザエさん』におけるうなぎの位置づけ」について、まとめてみました。
自由研究【丑の日研究レポート】
磯野家で、最近うなぎが高くなったと話題になる。するとカツオが「まさか土用の丑の日にウナギを食べないなんて言わないよね」と心配すると、大人たちは「どうかな」とからかう。危機感を覚えたカツオは、自由研究のテーマを『土用の丑の日とうなぎの関係について』にして、宿題のためにうなぎが食べたいと言い出す。
引用元:https://bangumi.org/tv_events/AjDwQgzwkAM?overwrite_area=23&pc_yjweb
そもそも「うなぎが高くなった」などと最初に発言したのは誰なのでしょうか。やはり磯野さんちの家計を預かる主婦であり、お母さんである「フネさん」でしょうか。発言する時は、周囲に気をつけてほしいものです。磯野家のオピニオンリーダーたる「カツオくん」が聞けば、すぐさま「うなぎが食べたい!」となるのは十分予想されることだからです。とすれば、もしかすると、発言者はそうなることを予測して、うなぎの話題を提供したのかもしれません。自分もうなぎを食べたくて、でも、家計に重大な影響を及ぼすかもしれないことを考えると、自分からおいそれと「うなぎを食べましょう」とは言い出せない。「子どもたちが食べたがっているから」と、自分も家族も納得させようとしたのかもしれません。策士です。『サザエさん』にこのような計略を巡らせる人物はあまりいないような気がしますが。
自由研究『土用の丑の日とうなぎの関係について』
カツオくんは、望み通りウナギを食べられたのでしょうか?
そして、カツオくんのレポートは、後日無事完成したのでしょうか?
花沢さんはともかく、カオリちゃんや早川さん、中島くんなどの同級生や、先生にはあまり好感を持たれないような気がします。
子どもが「~が食べたい!」と言うのはまあ許せる範囲だと思いますが、「土用の丑の日にウナギを食べないというのは、果たしてどうなのか?」日本人として「非常識」ではありませんか? と言わんばかりの口ぶりは、それこそどうかと思います。わざわざ自由研究のテーマとして、それにかこつけて「ウナギを食べたい」という自分の立場を正当化するのは、やり方がちょっと姑息なような気がします。磯野家の人たちがこれを受け入れ、昼食か夕食かをウナギにしたとします。カツオくんにしてみれば「してやったり」といったところでしょう。教育的に良いことだとは決して言えません。波平さんなら、「バカもん!」とまでは行かなくても、「素直に食べたいと言うべきだ」くらいのお説教はなさった方が波平さんらしくて良いと思います。
アニメ『サザエさん』の「うなぎ」回
アニメ『サザエさん』の話数は、2024年現在8000話を超えています。
季節の移ろいに敏感で、作品の中にイベントや年中行事を取り入れることの多い『サザエさん』。7月~8月に「土用うなぎ」の回もあるはずだと思って調べてみました。とりあえず2000年からの作品を拾ってみます。
- 2000(平成12)年 7月30日 作品№4855 ウナギうまいぞ
- 2003(平成15)年 7月27日 作品№5307 土用のうなぎ
- 2005(平成17)年 7月24日 作品№5598 ウシにウナギ 脚本:城山昇
- 2008(平成20)年 8月3日 作品№6059 ウナギが食べたい 脚本:城山昇
- 2009(平成21)年 7月19日 作品№6203 日曜のうなぎ 脚本:城山昇
- 2013(平成25)年 7月14日 作品№6972 今日はうなぎで! 脚本:谷本和弘
- 2015(平成27)年 7月19日 作品№7292 うしの日の風景 脚本:城山昇
- 2017(平成29)年 7月23日 作品№7649 今日は丑の日 脚本:中園勇也
2003年以前は脚本が不明。毎年というわけではないようですが、2、3年に一度「土用うなぎ」の回があることがわかります。
『サザエさん』に登場するうなぎ屋さん
『サザエさん』には、実在のうなぎ屋さんが描かれたことがあります。
世田谷区桜新町にあるお店「うなぎ川信」さんは、『サザエさん』の原作者長谷川町子さんが出前を取っていたという名店。桜新町は長谷川さんが住んでいた町で、磯野家が住まう「あさひが丘」は、世田谷区桜新町がモデルになっていることは有名です。
- 所在地:〒154-0015 東京都世田谷区桜新町2丁目8−4 ヨクレール55 2F ビル
- 営業時間:11時30分~14時00分、17時00分~20時00分
- 定休日:火曜日
うなぎが苦手な子どもは多い?
ところで、うなぎが苦手な子どもはけっこう多いようです。
ちょっと古いですが、2011年に日本スポーツ振興センターが、「小中学生の食べ物・料理の好き嫌い」をテーマにアンケートを実施しています。無記名で、「嫌いな食べ物」「好きな料理」「嫌いな料理」を、それぞれ三つまで。有効回答数は、小学生5433人、中学生4928人、保護者1万0014人、学級担当2397人となりました。
うなぎは「嫌いな食べ物」としては20位(2.5%)「嫌いな料理」としては2位(13.7%)という結果になりました。地方にもよると思いますが、学校給食にうなぎが出たという話はあまり聞かないので、自宅など学校以外で食べて嫌いになったものだと思います。
まとめ
毎夏、土用の丑の日にはいきなりうなぎの値段が上がります。テレビのニュースでも、暑い中もうもうと煙を上げながらうなぎを扇ぐ職人さんの姿が映し出されますが、子どもたちにはあまり人気がないようです。食べ物の好き嫌いは人によりますし、アレルギーなども気になりますからね。カツオくんのように「土用の丑の日」だからといってうなぎを食べたがる子どもは滅多にいないのかもしれません。今年の土用、カツオくんは、望みどおりうなぎを食べられるのでしょうか。もうすぐ放送です。
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