先週4月14日(日)21時。放送開始となったドラマ『アンチヒーロー』を視聴しました。主役の「明墨弁護士」を演じる長谷川博己さんの暗く重い雰囲気は、公開前の評判を裏切らない、期待通りの演技でしたね。連続ドラマとあって、初回は主に登場人物の顔見せで、それぞれの背に謎めいた闇を抱えているらしいことを匂わせて終わりました。ドラマの始まりと終わりで「明墨弁護士」が語りかけていた相手は誰なのでしょう。中程で犬のリードを買ったと電話してくるセーラー服の少女は。そして終盤、拘置所内で黙々と女の子の絵を描く男性は? これから少しずつ、薄衣を剥ぎ取るように明らかになっていく謎について考察してみました。
『アンチヒーロー』
番組概要
- 番組タイトル:『アンチヒーロー』
- ジャンル:連続ドラマ
- 出演者:長谷川博己(明墨弁護士事務所・弁護士・明墨正樹役)
北村 匠海( 弁護士・赤嶺柊斗役)
堀田 真由( 弁護士・紫ノ宮飛鳥役)
大島 優子( パラリーガル・白木凜役)
林 泰文( パラリーガル・青山憲司)
野村 萬斎(東京地方検察庁・検事正・伊達原泰輔役)
木村 佳乃( 検察官・緑川歩佳役)
馬場 徹( 検事・姫野役)
そもそも馬場徹さんが演じている「姫野検事」。第1話で重要な役割を果たしているはずなのに、この人だけ下の名前がはっきりしていません。「検事」が名前という訳ではないと思うのですが……。
この他、近藤華さんが「紗耶」という名前の少女の役、細田善彦さんがコンビニ「Fマート」店員の役で、緒形直人さんが拘置所内の受刑者として、第1話に出演しました。
- 制作:TBSテレビ
- 放送局:TBS系列
- 放送期間:2024年4月14日 –
「殺人犯へ、あなたを無罪にして差し上げます。」
日本の刑事裁判での有罪率は99.9%と言われている。長谷川演じる弁護士は、残り0.1%に隠された「無罪の証拠」を探し依頼人を救う救世主のような人間ではない。たとえ、犯罪者である証拠が100%揃っていても無罪を勝ち取る、「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士。ヒーローとは言い難い、限りなくダークで危険な人物だ。しかしこのドラマを見た視聴者は、こう自問自答することになるだろう。「正義の反対は、本当に悪なのだろうか・・・?」
このドラマは「弁護士ドラマ」という枠組みを超え、長谷川演じるアンチヒーローを通して、視聴者に“正義とは果たして何なのか?” “世の中の悪とされていることは、本当に悪いことなのか?” を問いかける。本作では、スピーディーな展開で次々に常識が覆されていく。日常のほんの少しのきっかけ、たとえば「電車に一本乗り遅れてしまった」「朝忘れ物をして取りに帰った」・・・たったそれだけのことで、正義と悪が入れ替わり、善人が悪人になってしまう。まさにバタフライエフェクトのような、前代未聞の逆転パラドックスエンターテインメントをお届けする。
引用元:https://www.tbs.co.jp/antihero_tbs/about/
第1話振り返り
町工場の社長、羽木朝雄(山本浩司)が殺害される事件が発生し、検察は羽木のパワハラに耐えかねた従業員、緋山啓太(岩田剛典)が社長を凶器で殺害したとして起訴。明墨法律事務所の明墨、部下の赤峰柊斗(北村匠海)と紫ノ宮飛鳥(堀田真由)の3人が緋山を弁護することになった。
明墨たちは、検察にとって緋山の犯行を証明する強力な証拠になるのは、殺害に使用したとされる「凶器」と、返り血が付着している可能性のある緋山の「ジャンパー」の2つだと睨んだが、代わりに検察側が提示した請求証拠は「防犯カメラの映像」「羽木家で採取された緋山の指紋」「羽木の爪の中から検出した緋山の皮膚片(=DNA)」「第一発見者の尾形仁史(一ノ瀬ワタル)による目撃証言」の4つ。しかし明墨はこれら証拠について「一つひとつが弱い」とし、検察は決定的な証拠を掴めていないと自信を見せた。
無罪を勝ち取るため、4つの証拠を潰しにかかる明墨。第一回公判では、ドアの内側と棚に付着した緋山の指紋は事件当日以前に付いた可能性があることを立証するため、羽木の5歳の息子を証人として呼び、子供のあいまいな記憶を“利用”して、緋山が事件の前から羽木家に出入りしていたと証言させた。
さらに明墨は、第一発見者の尾形に弁護士であることを隠して接触。第二回公判で、検察の証人として証言台に座った尾形は、作業場で被害者と被告人の口論を聞き、その中で緋山が「殺す」と発言したと証言したが、明墨は幾度もの調査を通して尾形がAPD(聴覚情報処理障害)を患っていることを突き止めていた。明墨は法廷で、尾形が機械音が鳴り響く工場内で緋山の声を聞き分けることが困難だった事実を突きつけ、尾形が検察から言われた通りに虚偽の証言をしていることを暴いた。
しかし、明墨と対峙する検事の姫野道哉(馬場徹)は、ずっと発見されていなかった「凶器」を決定的な証拠として提出した。接見室で「どうするんです、これから?」と心配そうにする緋山。明墨は「よく思い出してください。事件が起きる前、あのハンマーをどこかで無くしませんでしたか?」と尋ね、決定的な証拠をも潰そうとする強気な姿勢を見せた。
引用元:https://www.iza.ne.jp/article/20240419-MGRYPVANLVDBTCXNJ3CDTI24QI/
第2話あらすじ
社長殺害事件で、検察が提出した新証拠に公判が揺れる。しかし、明墨は過去の殺人事件の裁判記録を調べ上げ、ある仮説を立てる。
一方、弁護士としての正義に揺れる赤峰は、拘置所の緋山に会いに行く。
引用元:https://www.iza.ne.jp/article/20240419-MGRYPVANLVDBTCXNJ3CDTI24QI/
『アンチヒーロー』登場人物たちの謎
弁護士・明墨正樹の謎
登場人物たちに、色に関係する名前を持つ人が多いことは、いろいろな人が指摘しています。特に明墨弁護士事務所に勤めている「赤嶺」「紫ノ宮」弁護士、パラリーガルの「白木」さん「青山」さんたちはそうですね。「明墨」弁護士は「黒」ということでしょうか。なお、彼はドラマ第1話の中で一度も「所長」とは呼ばれていなかったようなので、所長さんは別にいるのかもしれません。おそらくは関係者だろうと思いますが。
因みに「明墨」という名字は日本に実在します。ただし読み方は「あきすみ」ではなく「あけずみ」。京都府・滋賀県にみられる名字で、日本に60人ほどしかいない、めずらしい名字です。
第1話冒頭で「明墨」弁護士が「人、殺したんですか?」と語りかけている相手は誰でしょう。部屋は暗く、相手の顔の辺りは陰になっています。一度だけ映った後頭部は、殺人事件の容疑者となっている「緋山啓太」(岩田剛典)さんのものとは思われません。どちらかと言えば第1話の終わりに拘置所で黙々と鉛筆画を描いている「?」(緒形直人)さんに似ていますが、確実ではありません。
それよりも、仕切りのガラスに「明墨弁護士」自身が映り込んでいるのが、私は気になりました。もしかすると、「明墨弁護士」は自分に向かって「人を殺しましたか?」と尋ねているような気がしたのです。
以前『JKと六法全書』について調べていた時にわかったことなのですが、仮に犯歴があったとしても、弁護士になることはできるようです。
次のいずれかに該当する者は、弁護士となる資格が認められません(弁護士法第7条)。①禁固以上の刑に処せられた者、②弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者、③懲戒処分により、弁護士・外国法事務弁護士であって除名され、弁理士・税理士であって業務を禁止され、公認会計士であって登録を抹消され、または公務員であって免職され、その処分を受けた日から3年を経過しない者、④成年被後見人または被保佐人、⑤破産者であって復権を得ない者。
引用元:https://www.nichibenren.or.jp/legal_info/lawyer/registration.html
たとえば「禁錮以上」の刑に処せられたとしても、「執行猶予」がつき、その期間を終えれば、弁護士の登録は可能です。
謎の少女・紗耶
第1話の中ほどで、白線入りの黒いセーラー服を着た一人の少女が「明墨弁護士」に電話をかけてきます。中学生か高校生でしょうか? ペットショップで色違いの犬のリードを買ったことを嬉々として報告してきます。少女は人とぶつかって取り落としたリードを拾ってくれた女性に対し、全身をこわばらせ、その場から逃げ出します。その反応は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を持つ人のそれのようです。以前何らかの犯罪被害に遭っているのかもしれません。
第1話の中で、実は彼女が「明墨弁護士」の娘であるとは明言されていません。公式サイトの「人物相関図」でも「紗耶」と書かれるにとどまり、「明墨」姓であると書かれてはいないのです。第1話で「明墨弁護士」の不在時に「赤嶺弁護士」が「娘さん」と発言していますが、それを聞いた「紫ノ宮弁護士」の反応は「は?」というものでした。
「紗耶」と「明墨弁護士」の間に、親子関係はないのだと思います。むしろ終わりに出てきた緒形直人さんが演じている男性の方が、関係性は強いのではないかと予想されます。
収監中「?」の謎
第1話で視聴者が最も衝撃を受けた謎は、緒形直人さんが演じるこの人についてのものでしょう。拘置所内で黙々と描く絵の女の子は「紗耶」に面影が似ているように見えますし、「明墨弁護士」と手紙のやりとりもあるようです。一体この3人はどのような関係にあるのでしょうか。
まとめ
4月21日(日)21時。ドラマ『アンチヒーロー』第2話が放送されます。登場人物たちのいろいろな謎を視聴者に投げかけて終わった第1話。その答えの一部は、第2話で明らかになるのでしょうか。
今後の展開が楽しみです。
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