「包丁は、良く切れるものの方が良い」という半ば思い込みのようなものが私にはあります。最近流行らない言い方かもしれませんが、母は専業主婦で、台所仕事を始め、家事の多くは母の領分でした。と言って、父が家事が不得手であったかというと、そういうことでもなく、単身赴任の期間があったためか、身の回りのことは人並みにこなせる人でした。そんな両親の姿を見て育ったからでしょうか。余所さまの面倒までは見てさしあげられませんが、片手に余る自分の小家族分の家事くらいは、一通りできていたつもりです。他に仕事もしていますし、面倒な時はあちこち手を抜いてごまかしますので、あまり大きなことは言えませんが。世の中には「切れる包丁なんか怖くて触れない」という人もいるようです。昔、家庭に包丁がない問題を取り上げた漫画もありました。私も、あれこれすべて自分の包丁で片をつけようとは思いません。できませんし。カット済みの食材も昔よりずっとおいしくなっています。でも、包丁は、やっぱりよく切れた方がうれしいのです。最初に理屈を言えば、包丁が切れないと、無理に切ろうとして余計な力が入ります。手か刃か、あるいはまな板か、どれかが滑った時、切れない包丁はかえって危険な気がします。
自宅にある包丁
改めて数えてみると、自宅のキッチンにはかなりの数の刃物がありました。なお、食器として使用するナイフは除いています。日常的に使用しているもの、必要に応じて使用するもの、あってもほとんど使用していないものに分けてみると、次のようになりました。数年間使用のないものは、そろそろ処分しても良いのかなと思っています。
日常的に使用しているもの
使用頻度が高いものは、すぐに取り出して使えるよう、シンク下のカウンターの扉に刺してあります。
- 三徳包丁……2017年に「ふるさと納税」で購入しました。ということは、8年前になります。全鋼ではありませんが、安来鋼割込。刃渡16センチ。両刃の包丁です。それまで使っていたステンレスの三徳包丁が何かの拍子に欠けてしまい、鋼の包丁が欲しいな、と思って買いました。もちろん切るものにもよりますが、ステンレスよりは持ち重りのする刃が、食材に吸い込まれるように入っていくのはいっそ快感です。鋼使用の和包丁は一般的には片刃のものが多いのかもしれませんが、本職の料理人でもあるまいし、家庭で使用する分には両刃の三徳包丁が使いやすいです。大きさも手頃です。全鋼片刃の出刃、菜切包丁もあるのですが、ここ数年使用がありません。
- ペティナイフ……20年以上前、独り暮らしを始めた頃に、実家近くの金物屋さんで購入しました。先ほどの欠けてしまった三徳包丁を買ったのも同じ頃だと思います。種類はわかりませんが、鋼の割込包丁です。刃渡14センチ。両刃です。大根などの大きいもの、南瓜やさつまいもなどの固いもの、魚や肉類を切るのには向きませんが、ちょっとしたものを切ったり、皮むきをしたりするのにはこのくらいがちょうどいいと思っています。
日常使用しているものはこのくらい。あとは、小物を切るのにキッチンばさみを使ったり、じゃがいもやにんじんの皮むきにピーラーを使ったりすることもあります。最近にんじんは皮むきをしなくてもいいという内容の記事をどこかで見かけました。農家さんか農協さんの記事だったと思います。にんじんが苦手なわけではありませんが、皮付きだと匂いが残るような気がします。今家ににんじんがないので、次に買った時にやってみようと思います。
必要に応じて使用する(かもしれない)もの
- 出刃包丁……10年以上前に旅行先で購入しました。全鋼。刃渡14センチ。これは片刃の和包丁です。サイズからいえば、小出刃と言った方が良いかもしれません。しばらくご無沙汰中ですが、釣りをしていた頃はこれが活躍しました。一度まぐれでオコゼを釣ったことがありましたが、その時にはあって良かったと思いました。買ったものでも同じですが、まるごとの魚をおろすのには、やはり片刃の包丁が欲しいです。中骨に沿って身を開くのは、両刃では難しいです。また、イワシやさんまなどなら良いでしょうが、鯛や鮭など、骨の硬い魚をぶつ切りにするには、刃の厚みもある程度以上あった方が良いと思います。まあ最近は出番がなく、刃の部分を広告と布でくるんで、抽斗の奥にしまってあります。買った魚をおろすなら、夕方など忙しい時間を除けば、お店にお願いするとやってくれることが多いです。
- 菜切包丁……出刃包丁と同じ頃に、やはり旅行先で購入しました。全鋼。刃渡17センチ。片刃。菜切の名の通り、野菜を切っていました。これも三徳包丁を新調してからは出番が減り、出刃包丁と一緒に抽斗の奥で眠りについています。母は、どうしても出刃でなければならない食材以外は菜切包丁を使っていました。鍋の焦げを削っていたこともありましたが、これだけは真似してはいけないことだと思います。
あってもほとんど使用しないもの
- パン切りナイフ……パン屋さんでバゲットやカットしていない食パンを切る場合、あると便利です。実家では使っていました。最近は食パンはお店でカットしてもらうか、カット済みのものを買っています。バゲットを切るにも三徳包丁で用が足りるので、わざわざパン切りを持ち出すことはありません。実家近くのパン屋さんのロゴが入っているので、実家から持ってきたものです。シンク下のカウンターの扉に刺さっていますが、なくなっても気がつかないのではないかと思います。
- スライサー……記録がないのでいつどこで買ったものかわかりませんが、たぶん通信販売です。いや、便利なんです。確かに。長いもそうめんはおいしいですし、キャロットラぺを作る時も役に立ちます。でも、これでなければできないかというと、どうもそんなことはないようで、これも数年前から抽斗の奥が定位置になってしまっています。
一応、まな板も
- ポリエチレン製、丸形、抗菌まな板……2020年に通販サイトで買いました。30センチ。両面使えます。普段使用しているのはこれです。最近のまな板は、材質が何であれ、抗菌加工されているものが多いようです。もう4年目になるので、抗菌効果は薄れてしまっているかもしれません。
- 木製まな板……気がついたらなくなっていました。材質は不明ですが、スギやヒノキではなかったと思います。木目もありませんでしたし、買えばけっこうお高いはずです。カツラだったらもっと軽いので、これも違うと思います。
- カッティングシート……いつだったか覚えていませんが、ホームセンターで買いました。三枚セットになっていたと思います。これもいつの間にかなくなっています。
- 牛乳パック……これが、ばかになりません。1リットルの牛乳を飲み終えたら、紙パックの中を洗って、キッチンばさみで開き、乾かしておきます。カッティングシート代わりに使うのですが、厚みがありますし、耐水性もあります。汚れたら捨てれば良いですし、もう一度洗って資源ゴミとして出しても良いでしょう。最近は資源ゴミを回収するお店も増えてきました。底部分は、私は面倒なので切り落としてしまいますが、スクレーパーのように使用することもできます。母はこの部分も器用に開いていました。
まとめ
家事全般は、それほど苦になりません。もちろん時々手を抜くことを許していただければ。台所仕事も、むしろ好きな方なのだと思います。おいしいものを食べるのは好きですし。調理道具も、けっこういろいろなものがあって、中には未使用に近いものも。こんな漫画があったなーと思い出したりします。
今回は、自宅にある、あった「包丁」(と、まな板)をまとめてみました。これまで使ってきた包丁は、概ね「良く切れる」ものだったと思います。本職の料理人ではないので、使うたびというわけではありませんが、時々切れ味が鈍ってきたなと思ったら砥石をあてました。現在ほとんど使わなくなった出刃や菜切はいずれ処分するかもしれませんが、自宅にせめて一本は、良く切れる包丁を持っていたいと思います。切れない包丁で切れない食材を切ろうとするのは、少なくとも私にとっては、ストレス以外の何物でもありません。
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