3月24日(日)今夜、「ちびまる子ちゃん」は、「みんなに幸せいっぱい、きますように!春のお楽しみSP」と題して、18時から1時間の放送となります。主人公「さくらももこ」を演じた声優TARAKOさんの突然の訃報にファンの皆さんが接したのは、この3月初めのことでした。TARAKOさんが最後に「まるちゃん」を演じたのは、今夜放送される4作品の一つ、「まる子、水の味がわかる?」の巻です。思い返してみれば、テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」は30年以上昔からの放送で、その間、原作者さくらももこさんを始めとして、制作に携わった幾人かの方々が鬼籍に入られています。番組ではTARAKOさんのご逝去に触れ、10日放送の冒頭で追悼テロップを流しましたが、改めて今夜、TARAKOさんのご冥福を祈りつつ、その足跡をたどるとともに、物故された方々を偲びたいと思いました。
番組概要
- アニメーション制作:日本アニメーション
- 制作:フジテレビ・日本アニメーション
- 放送局:フジテレビ系列
- 放送枠:日曜18時アニメ枠
- 第1期放送:1990年1月7日-1992年9月27日
- 第2期放送:1995年1月8日-
- 第1期話数:全142話+特番作品全1話
- 第2期話数:1334話+特番作品全27話(2022年5月1日時点)
今考えると「?」となりますが、第1期の放送期間は意外に短いですし、第2期開始までに2年半の空白期間があります。ちなみにその空白期間に放送されていたのは、「ツヨシしっかりしなさい」というアニメでした。フジテレビ系列のアニメ番組としては、直後の時間帯に放送されている『サザエさん』に次ぐ2番目の長寿作品となっており、全体としても、上記の『サザエさん』、『ドラえもん』、『それいけ!アンパンマン』、『クレヨンしんちゃん』に次ぐ、5番目の長さだそうです。
TARAKOさんは「ちびまる子ちゃん」第1期初回から、「まるちゃん」の声を担当していました。声優としてのキャリアはそれまでもありましたが、「まるちゃん」を演じ始めた時、TARAKOさんは30歳。演じるようになったきっかけは、「声がそっくりだったこと」だそうです。確かに、このキャラクターには「これしかない!」と誰もが納得するような声を持っていらっしゃいました。番組オフィシャルサイトによれば、3月9日付の「お知らせ」として、「しばらくは過去放送の作品の再放送となり、後任の声優さん、後任による放送開始時期については現在対応中」という告知がなされており、制作側が選定に苦心されていることが想像されます。
長寿アニメ番組の声優交代については、これまでも『サザエさん』『ドラえもん』などで行われてきました。先年も『ルパン三世』のガンマン次元大介役の声優が長年演じてこられた小林清志さん(故人)から大塚明夫さんに交代したことは、記憶に新しいところです。永遠の小学一年生江戸川コナンくんなどを挙げるまでもなく、アニメのキャラクターは歳を取らないのに、それを演じる「中の人」は一つずつ歳を取っていく訳ですから、仕方のないことだとも言えるかもしれません。
もちろん寂しさはありますが。
今夜の放送内容
「ちびまる子ちゃん みんなに幸せいっぱい、きますように!春のお楽しみ1時間スペシャル」
- 放送日時:3月24日(日)18:00-19:00
- 放送局:フジテレビ
- 放送内容:『ぜんぜん知らない親せきの人』の巻
『さくら家に謎の影!?奴の名はG』の巻
『たまちゃんのゆううつ』の巻
『まる子、水の味がわかる?』の巻
TARAKOさんの足跡
- 本名:非公開
※芸名の「TARAKO」は、学生時代『サザエさん』の息子のフグ田タラオ(タラちゃん)のようなしゃべり方だったために友人から付けられたニックネーム「タラ子(『タラ』に女の子から)」をローマ字表記にしたものだそうです。 - 生年月日:1960年12月17日
- 没年月日:2024年3月4日(63歳没)
- 出身地:群馬県太田市
- 職業:女優・声優・歌手
- 活動期間:1981年-2024年
調べてわかりましたが、宮﨑駿さんが監督を務めたアニメ映画「風の谷のナウシカ」(1984年公開)「天空の城ラピュタ」(1986年公開)「となりのトトロ」(1988年公開)にも出演されていました。正直なところあまり強い印象がないのは、やはり「まる子」とその声の印象が強烈だからでしょうか。
これまでに物故された方々です。ご冥福を祈ります。
原作者:さくらももこさん
さくらももこさんのプロフィール
- 本名:非公開
- 生年月日:1965年5月8日
- 没年月日:2018年8月15日(53歳没)
- 出身地:静岡県清水市(現・静岡市清水区)
- 職業:漫画家・エッセイスト・作詞家
- 活動期間:1984年-2018年
おねえちゃん(さくらさきこ)役:水谷優子さん → 豊嶋真千子さん
水谷 優子(みずたに ゆうこ)さんのプロフィール
- 本名:西久保 優子(にしくぼ ゆうこ 旧姓:水谷)
- 生年月日:1964年11月4日
- 没年月日:2016年5月17日(51歳没)
- 出身地:愛知県海部郡
- 職業:声優・女優・歌手
- 活動期間:1985年-2016年
おじいちゃん(さくら友蔵)役:富山敬さん → 青野武さん → 島田敏さん
富山 敬(とみやま けい)さんのプロフィール
- 本名:冨山 邦親(とみやま くにちか) ※「富」の字が違うのです。
- 生年月日:1938年10月31日
- 没年月日:1995年9月25日(56歳没)
- 出身地:東京都世田谷区 ※「出生地」は満洲国 奉天省鞍山
(現:中華人民共和国 遼寧省鞍山市) - 職業:声優・俳優・歌手
- 活動期間:1957年-1995年 ※俳優としてのキャリアは1955年に始まります。
青野 武(あおの たけし)さんのプロフィール
- 本名:同じ
- 生年月日:1936年6月19日
- 没年月日:2012年4月9日(75歳没)
- 出身地:北海道旭川市
- 職業:俳優・声優・ナレーター
- 活動期間:1961年-2010年 ※俳優としてのキャリアは1954年に始まります。
まとめ
のどやかな春の青空を眺めていると、何となく昔のことが思い出されてしまいます。それは必ずしも亡くなった人のことばかりではないのですが、先日突然の訃報に触れたTARAKOさんが、今夜放送のSP番組で「ちびまる子ちゃん」を最後に演じられることを知り、これまでに亡くなった方々の思い出を振り返ってみました。こうして並べてみると、不謹慎かもしれませんが、皆さま思ったほどご高齢ではなかったような気がします。人生80年の時代を迎えた現在、まだまだ若かったのに、と残念に思う気持ちを抑えきれません。亡くなってしまった方々も、「まだ」「もっと」と、未来への強い願いを抱えていらしたのではないかと思います。
時間が経ってしまった方もおり、一まとめにするのは如何なものかという思いもありましたが、改めて皆さまのご冥福を祈りたいと思います。故人、ご遺族、ご存命の関係の方々に非礼のないようにと心がけたつもりですが、思い及ばず何か失礼がありましたなら、決して本意ではありません。心からお詫び申し上げます。
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