6月2日(日)『アンチヒーロー』第8話が放送されました。「紗耶」や「桃瀬礼子」の正体、「緋山」と「エゴシ」が12年前の「糸井一家殺人事件」にどのような関わりがあったのか、多くの謎が明らかになりましたね! 高笑う響きと大きな花束を残して舞台袖から退場していく伊達原検事正。言葉も笑みもなく、明墨弁護士は、残された花束を握る手に力を込めます。でも、伊達原さん、笑っていて大丈夫なのでしょうか。放送終了まで、あと二話残されています。最終話を前に「勝った」つもりで悪役が笑うと、その悪役は最後の最後には逆転されて泣きを見るのがお約束というものではありませんか。慢心せず、明墨弁護士事務所の動きを注意深く見守った方がいいと思いますよ?
これまでのあらすじ
第1話 ー接点ー 4月14日日放送
町工場社長殺害事件。容疑者として工員の緋山啓太(岩田剛典)が逮捕される。検察がした証拠は緋山の犯行を裏付けるが、緋山の弁護を担当する明墨は、一つ一つ証拠の不備を暴いていく。その手法は赤嶺の目に「正義」とは映らなかった……。
第2話 ー拒絶ー 4月21日日放送
町工場社長殺害事件。凶器の発見は、緋山の犯行を裏付ける決定的な証拠となるはずだった。しかし明墨は、これにも疑義を唱える。第1回公判で検察側から示されたDNA検査による証拠が、検察と法医学者の結託によって捏造されたものであることを暴き、第1審で被告人無罪が確定するが……。
第3話 ー過去ー 4月28日放送
明墨は、東京都品川区で起こった暴行傷害事件について、被告人の弁護を担当する。被告人富田正一郎(田島亮)の父親は、衆議院議員富田誠司(山崎銀之丞)、次期法務大臣有力候補であった。担当検事は緑川(木村佳乃)。また、富田正一郎は、弁護士赤嶺がかつて担当した暴行傷害事件の真の加害者であった……。
第4話 ー冤罪ー 5月5日放送
千葉県で連続不同意性交事件が発生、3件目の被害者の目撃証言から、来栖令二(渡邊圭祐)が逮捕。当初弁護を担当することになっていた弁護士宇野雅人(和田聰宏)から、明墨はその依頼を脅し取る。12年前、同じ千葉県で起こった殺人事件の犯人として有罪判決を受け、東京拘置所に収監中の志水裕策(緒形直人)を明墨が訪ねていたことから、赤嶺は明墨の行動に明確な狙いがあると確信する。現在不同意性交事件で捜査指揮を執るのは、平成24年当時、捜査一課刑事として志水の事件の捜査に当たった倉田功(藤木直人)。そして倉田は、紫ノ宮の父親だった。
第5話 ー因縁ー 5月12日放送
連続不同意性交事件の捜査に当たった千葉県警、当初弁護を担当し、一人目、二人目の事件について犯行を認める供述を引き出していた宇野弁護士、容疑者来栖逮捕のきっかけとなった唯一の目撃証言を行った三人目の被害者仙道絵里。三者の間につながりがあることを見抜いた明墨は、そのつながりを崩し、目撃証言が実は警察主導の偽証であることを裁判で明らかにしようとする。「会って話したい」と父倉田に呼ばれた紫ノ宮は、この事件、そして12年前の志水の事件に警察の不正がなかったかと問いただすが、父は「あり得ない」と答える。
第6話 ー不正ー 5月19日放送
明墨は週刊大洋元副編集長沢原麻希(珠城りょう)を被告とする個人情報流出事件控訴審の弁護を請け負う。彼女はかつて法務副大臣加崎達也(相島一之)のスキャンダルを追っていた。明墨は、以前は彼女の上司であり、部下となり、事件後は副編集長に返り咲いた上田其一(河内大和)を疑う。明墨は上田のバッグにGPS発信器を忍ばせ、赤嶺に尾行させるが、それらの適切さを欠く調査方法が裁判で問題視され、手に入れた証拠は不採用となる。しかし、明墨のねらいはまさにその証拠が採用されるか否かにあった。証拠が不採用になったことで、裁判長瀬古成美(神野三鈴)への明墨の疑惑が、確信に変わる。
第7話 ー追及ー 5月26日放送
沢原麻希(珠城りょう)を被告とする個人情報流出事件を巡り、明墨は裁判長瀬古成美(神野三鈴)の法務副大臣加崎達也(相島一之)との癒着を確信、「報いを受けさせる」と、弾劾裁判に向けて動き始める。明墨弁護士事務所は、スタッフ総出で加崎達也の政治資金パーティに潜り込む。白木凜(大島優子)はペンダントにカメラを仕込み、パーティに乱入した富田誠司(山崎銀之丞)と瀬古を、ボイスレコーダーを仕掛けた別室に案内するのは、ホテルマンを装った青山憲司(林泰文)だった。瀬古と富田の癒着の証拠を手に入れた明墨は、富田の秘書小杉和昭(渡辺邦斗)に、贈賄についての証言をさせようとする……。
第8話 ー真実ー 6月2日放送
明墨は「糸井一家殺人事件」の犯人として死刑判決を受け、拘留されている志水が無実だと、志水の娘・紗耶に明かし、かつて父親を追い詰め、自供を引き出したのが自分であることを告白する。
千葉県警は志水のアリバイを証明する動画の存在に気づいており、その動画を隠蔽したのは、紫ノ宮の父・倉田功元千葉県警刑事部長、検事として裁判に関わっていた伊達原だった。
かつてネットに流れていた盗撮動画を撮影したのが緋山、緋山に動画の撮影を命じた「エゴシ」・本名後藤秀一(迫田孝也)の元に元データが残っているはずだとして、後藤を取引の場に引き出すが……。
第9話 ー約束ー 6月9日放送予定
12年前の事件、唯一の冤罪の証拠である動画が伊達原(野村萬斎)によって消された。
明墨(長谷川博己)は桃瀬(吹石一恵)の意思を継ぎ志水(緒形直人)の冤罪を晴らすことは不可能なのか―。赤峰(北村匠海)と紫ノ宮(堀田真由)は独自の視点で12年前の事件を洗い直す。
引用元:https://www.tbs.co.jp/antihero_tbs/story/
しかし、そこに迫る伊達原の魔の手、そして、裏切り・・・。
第10話(最終話) 6月16日放送予定
『アンチヒーロー』第8話 「謎」が解かれる……
『アンチヒーロー』第8話。12年前に別れた娘に問われ、「パパは人を殺してなんかいない」と答える志水、「たとえ犯罪者でも、パパと一緒にいたかった」「先生がパパを無罪にしてくれる」と涙を流す紗耶、法の正義を盲信していた自分の行いを悔い、「私に、あなたの無実を証明させてください」と頼む明墨。ドラマは、死刑囚志水裕策の再審に向けて動き始めたはずでした。ところが、志水冤罪の唯一の証拠と見られていた動画が、伊達原検事正によって奪われ、消去されてしまいます。
「紗耶」の謎……全容解明まであと少し。
「牧野沙耶」というフルネームと、17歳であることが判明したのは、第6話。
「牧野沙耶」が死刑囚志水裕策の娘であることが判明したのは、第7話。
第8話では、死刑判決を受けた父親と母親が離婚したこと、その後母親が交通事故で亡くなり、児童養護施設に預けられたという経緯が明らかになりました。
あと少し。と思うのは、明墨弁護士との関係、桃瀬礼子との関係について、説明が不十分と感じられるところです。
第8話で、紗耶は明墨のことを初めて「先生」と呼びました。この「先生」は、学校の先生という意味ではないでしょう。明墨の告白によって父親と明墨の関係を知り、「先生がパパを無罪にしてくれる」と言った時の「先生」は、はっきり弁護士であることを指しています。けれども、紗耶は、自分に近づいてきた明墨という男が弁護士であることを、初めから知っていたのでしょうか。知らなかったのだとしたら、明墨と紗耶は、どのように関係を深めていったのでしょうか。
「桃瀬礼子」の謎……全容解明は遠くない。
第8話で、「桃瀬礼子」が明墨弁護士のかつての同僚であったことが、弁護士事務所のパラリーガル、青山憲司(林泰文)の口から明らかにされました。同時に、同じくパラリーガルの白木凜(大島優子)も明墨の動きが何を目指しているのか知っていたことも判明しました。事務所に来た事情を紫ノ宮に問われ、白木は「先生は覚えていない」と躱していましたが、これもまた、残り二話の中で語られるでしょう。
「桃瀬礼子」が明墨の検察時代の同僚であったこと、志水の死刑に冤罪の疑いがあることに最初に気づいたのが彼女であったことは第8話で明らかにされました。ただこちらも、もう少し説明がほしいと思うのは、桃瀬と明墨の間に、仕事上の関わり以上の、個人的なつながりがあったのではないかということと、彼女が保護犬施設「わんはっぴー」で紗耶と出会ったのは偶然だったのか、何か意図があったのかということです。
「エゴシ」とは何者か?……あっさり解明。
「エゴシ」が迫田孝也さんの役名であることについては、多くの人が気づき、指摘した通りになりました。江越・本名後藤秀一が、緋山にとってどのような存在であったのか、また、「糸井一家殺人事件」にどのように関わったのかについては、第8話中であっさり明らかになりました。ストーリーの全体に関わる、もう少し大きな存在なのかなと思っていましたが、意外な小物感。
まとめ
同僚だった桃瀬礼子の遺志を受け、志水の再審無罪を目指す明墨が、弁護士事務所のメンバーが、次にどんな一手を打つのか。伊達原検事正がそれをどう受け止め、躱すのか。予告にある「裏切り」とは何か。第8話最終場面で弁護士事務所から伊達原が退場した後、もの言いたげにたたずんでいた緑川歩佳(木村佳乃)検察官が、この後どのような行動に出るのか。最終話まで残すところ2回。最後までしっかり見届けましょう!
コメント